ストリーム エンジンルーム付近からギューという音がしていた原因
車種: ホンダ / ストリーム
型式: DBA-RN6
年式: 平成22 年4月
走行距離: 69000km
症状
エンジンが完全暖機後の停車中、全てのシフトレンジでエンジンルーム付近から「ギュ-音」が聞こえてくる。
掛かった修理代は・・・
101,725円!
整備内容
同型のストリーム他車と比較して、約1.5倍の音圧がある。音源はATミッション(オートマチックトランスミッション)内部であるが、類似した異音が エキゾースト・フレキシブル・ガスケットからも発生していた。
この部品は、運転席下当たりのエキゾーストパイプ間の球面ガスケットで、エキゾーストパイプとガスケット接触面に、排気ガスが通過することで生成される、炭素から成る黒鉛被膜が所々にムラがある状態で付着しガスケットの球面が均一に密着しなかったことにより異音が発生していた。
まずこの部品を交換した後異音を確認すると、その音源がATミッションらのみになったことにより、音がより鮮明になった。
ATミッションの最後方部であるRサイドカバーのポジションセンサ部付近が音の共鳴が最大で、この音の中味はATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)の流動音である。
そこでシフト操作の変化よるATFの流動音の変化を確認した。
シフトポジション |
2 |
→D3 |
→2 |
シフトソレノイドバルブAの状態 |
ON |
→OFF |
→ON |
シフトソレノイドバルブBの状態 |
OFF |
→OFF |
→OFF |
シフトソレノイドバルブCの状態 |
OFF |
→ON |
→OFF |
シフトソレノイドバルブはECUから受ける信号によりON・OFFし、それにより油路を切り替える変速制御のアクチュエータである。
ATFの流動音は上の表のシフトソレノイドバルブAが、OFFからONに切り替わる時に音圧が最も大きいことが確認できた。
この時切り替わる油路の圧力を最適な状態に調圧するのは、レギュレータバルブである。
通常より大きな流動音が出ると言うことは、ATFの流動時に圧力ムラに起因して泡が生まれては消えるキャビテーションが起こっていると推測した。
つまりレギュレータバルブの調圧が決して最適ではないと診断した。
レギュレータバルブがその経由で形作っているATミッション内部での圧力をライン圧と言うが、油圧測定時このライン圧が標準値の900-960kpaに対してやや低い880kpa(限度値は850kpa)の数値を示したことも上記の診断の要素である。
レギュレータバルブに的を絞りATミッションを分解、そしてレギュレータバルブボディからレギュレータバルブを取り外しバルブ表面を目視点検すると、爪で引っ掛かりはしないが広い面積にすり傷があり、てかてか光っていた。その対応策として、バルブボディの部品交換ではなくレギュレータバルブ廻りの研磨修正の方法を採った。
組み付け後、紛れもなく異音の音圧は半減、その状態は整備前は運転席ドアガラスを全開で聞こえていた「ギュー音」が整備後には聞こえなくなった。またライン圧も920kpaに上昇し、満足行く整備結果が得られた。
交換部品
- ATミッションガスケットキット
- ATF
- エキゾーストフレキシブルガスケット
修理費用(工賃、部品代)の内訳
部品名 |
単価(円) |
数量 |
金額(円) |
交換工賃(円) |
AT油圧測定 ATミッション分解 レギュレータバルブ修正 |
1 |
64,800 |
||
ATミッションガスケットキット |
18,000 |
1 |
18,000 |
|
ATF |
1,150 |
6.4 |
7,360 |
|
エキゾーストフレキシブルガスケット |
1,630 |
1 |
1,630 |
2,400 |
部品代合計 |
26,990 |
|||
交換工賃合計 |
67,200 |
修理代合計(税込):101,725円
この修理代を払って“乗り続ける”か?
それとも、
“車を乗り換える”か!?・・・
さて、修理の規模は大から小までありますが、
この「愛車の修理」のタイミングで
知っておかないと
“大損”するかもしれないことが・・!
それは・・・
車は修理するだけで、損をする!?
車は、修理しても“払った代金”以上に、
“車の価値”が上がることはないので、
車を手放すのは、
「修理前」のタイミングがベスト!
なぜなら、
車を買い取る業者の多くは、
故障している買い取り車の修理を
自前、又は提携先の工場で行えるため、、
あなたがディーラーや整備工場などに依頼し
“工場の利益を載せて”払う修理代金よりも
安く直すことが出来ます。
なので、あなたが修理代に加えて手間を払い、
車を修理に出したとしても、
車の価値(買取額)に反映されるのは、
払ったものに比べれば、
“ほんのわずか”となってしまいます。
そして、結局すぐ売ることになったのであれば、
その修理費用の差額分を損するわけです。
修理によっては、
数万~数十万円なんてことも!
私も昔・・・
乗っていた車のエアコンが急に壊れ、
大急ぎで近くの車屋に
診てもらったことがあったんです。
「コンプレッサーなどの交換が必要だよ」と言われ、
こんな暑い中、一刻も早くと思い、
深く考えもせず、すぐに修理を依頼したんです。
その時は、総額15万円近くの
修理代金を払いました。
しかし、コンプレッサー特有の症状が再発・・!
1ヶ月も経たないうちに
再度、同じ修理をしなくては
いけなくなったんです!(泣)
結局、いろいろ古くなっていたので
修理は諦め、
車の買取をその車屋に依頼すると、
「10万キロも超えてるし、
ほとんど値段はつかないよ。」
と言われてしまいました・・・。
結局、その車屋には売りませんでしたが。
あなたは、愛車にあとどれぐらい乗りますか。
“どうしても長く乗り続けたい”というのであれば、
修理を選択するのがベストでしょう。
ただ、今少しでも
そろそろ“車を乗り換える”かも・・・
ということが頭の片隅にでもあるのであれば、
その修理をしてしまう前に、
まずは現在の“愛車の価値”を知り、
今すぐ、乗り換えもしっかり検討すること!
過去の私のような失敗だけは
絶対にして欲しくないものです。
さて、値段がつかないよと
言われていた私の車でしたが、
その後、ネットで査定してもらったところ、
結局、35万円の高値がついて売ることが出来ました!
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常に正しい選択ができます。
あの時、買い叩かれなくて、
ホントに良かった・・。
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