ステップワゴン エンジンルームからキューという音の原因と修理費用
車種:ホンダ / ステップワゴン
型式:DBA-RK3
年式:H22年
走行距離:4.3キロ
ステップワゴン(RK3)の走行中エンジンルームからキュー音が発生すると言う症状
エンジンが暖まる前の走行中、アクセルペダルを放しての減速時や停止直前に、エンジンルームあたりから「キュー」と言う、物と物がこすれ合い摩擦しているような、2秒間前後の長く引き延ばした音が聞こえてくる。
エンジン冷機時の、走行開始直後にも、この音が発生することもある。
発生頻度は、ある一定の時間を置いて繰り返す「時々」であり、数日間車両を使用せずに停車した後が発生の確率が非常に高い。
音の種類は、「キュー」より少しかん高い「クー」音として聞こえることもある。
掛かった修理代は・・・
40,500円!
ステップワゴンRK系で走行中キュー音が発生した原因
異音における故障診断の基本フローに従って、整備を進めました。
それは、問診→事象確認→事象の分類→点検・整備→走行テスト→完了
の流れです。
「質問して診断の助けとする」問診は、上記のようにお客様から十分に情報収集出来ています。
次のステップの事象確認も、問診結果から再現条件を想定し、事象の再現・異音の確認が出来ました。
異音の発生源を早く正確に絞込むために、2個の振動センサを想定部位に
取り付けて直接ヘッドホンで音を聞く異音診断計測器を活用しました。
この診断機は振動センサを磁力で想定部位に取り付けられるので、走行しながらの事象確認も可能です。
ヘッドホンから聞こえる音が一番大きくクリアな箇所は、エンジンルーム左側のCVT
トランスミッションの前方側面部で、トランスミッションケースの上部に8本のボルトで
外付けされているコントロールバルブボディ直下部でした。
音源は音質が鮮明なこの周辺部位にあります。
ここまでで、事象の確認が出来たので、次は事象の分類です。
トランスミッションケース内部には3種類のバルブボディが内蔵されており、コントロールバルブと短いパイプで連結されており、油路が形成されて油圧制御バルブが作動
しています。
つまり異音の発生する音源は、CVTトランスミッションのフルード流動音です。
流動音が「キュー」・「クー」音へと人間の耳に聞こえる周波数に変化する理由は、エア噛みです。
エアが噛むと液体であるトランスミッション・フルードの流れのが乱れ、その流れの
中で、気泡の発生と消滅が繰り返されて騒音の原因となります。
ではなぜエア噛みが起こるのでしょか。
それはフルードの圧力を適正に調整する働きの、レギュレータバルブの加工精度の問題であると診断できます。レギュレータバルブはコントロールバルブに内蔵されて
います。
コントロールバルブがミッション上部に配置されていることも、エア噛み発生の一つの要因であるとも言えます。
それは、「数日間車両を使用せずに停車した後が発生の確率が非常に高い
との発生状況から、「エアが上がってきて溜まっている」と言う説明をすることが
出来ます。
エンジンルーム異音、同じ・似た症状のケース解説
部品の配置が高い場所に設定されているために、液体の流動音が聞こえるケースをご紹介します。
機種はフィットで、型式がLA-GD1、平成14年式です。
症状内容は、エンジン始動直後インパネ内からジョロジョロと、水の流れる音が聞こえると言うものです。ただし、この音はエンジン始動後約10秒ほどで消えます。
この当時のフィット系は、ヒーターコアがヒーターユニットの上部、インパネのセンターパネル裏側あたりの高い位置に配置されていました。これはエンジンのシリンダヘッド上端よりも高い位置に配置した冷却回路です。
これは、2モードクーリングシステムと名付けられ
1. 冷間時のサーモスタットが閉じている時にはシリンダブロックに冷却水を流さずに、シリンダブロックの暖機を促進させて、冷却水からシリンダブロック外壁への
放熱量を低減させて、ヒータ性能の向上を図る。
2. 暖機後のサーモスタットが開いてからは、ラジエータで冷やされた冷却水を、
シリンダブロックよりも先にシリンダヘッドに導入して、ノック性の改善を図る。
この2点が狙いでした。
ですから、シリンダヘッドとヒータコアの配管の距離を極力短くするために、ヒータコアを高い位置に持って来たのです。
エンジン完全暖機→エンジン冷却を2~3回繰り返すと、エアは完全に抜けて事象は解消します。
しかし位置の影響として、停止している期間が長いと、ヒータコアに多少のエア噛みが発生し、加えて耳と近い高さにあるため聞こえやすい結果になりました。
整備、修理内容
コントロールバルブボディの交換と共に、トランスミッション・フルードのエア抜きを繰り返し実施しました。
その内容は、
1. 完全暖機後、車両をリフトアップしてホイールが前輪回転出来るようにセットする。
2. エンジンを始動して、Dポジションでゆっくりアクセルを踏み込み、10秒以上かけて60km/hの速度まで加速する。
3. アクセルペダルを戻してブレーキペダルを踏まずに、クリープの速度になるまで
待機する。
4. この手順を5回繰り返し実施する。
以上がエア抜きの方法です。
最後に走行テストを行い、事象が解消していることを確認して、整備作業を
終えました。
修理費用(工賃、部品代)の内訳
- コントロールバルブボディ 部品代 33,300円
- 交換工賃 7,200円
修理代合計:40,500円
この修理代を払って“乗り続ける”か?
それとも、
“車を乗り換える”か!?・・・
さて、修理の規模は大から小までありますが、
この「愛車の修理」のタイミングで
知っておかないと
“大損”するかもしれないことが・・!
それは・・・
車は修理するだけで、損をする!?
車は、修理しても“払った代金”以上に、
“車の価値”が上がることはないので、
車を手放すのは、
「修理前」のタイミングがベスト!
なぜなら、
車を買い取る業者の多くは、
故障している買い取り車の修理を
自前、又は提携先の工場で行えるため、、
あなたがディーラーや整備工場などに依頼し
“工場の利益を載せて”払う修理代金よりも
安く直すことが出来ます。
なので、あなたが修理代に加えて手間を払い、
車を修理に出したとしても、
車の価値(買取額)に反映されるのは、
払ったものに比べれば、
“ほんのわずか”となってしまいます。
そして、結局すぐ売ることになったのであれば、
その修理費用の差額分を損するわけです。
修理によっては、
数万~数十万円なんてことも!
私も昔・・・
乗っていた車のエアコンが急に壊れ、
大急ぎで近くの車屋に
診てもらったことがあったんです。
「コンプレッサーなどの交換が必要だよ」と言われ、
こんな暑い中、一刻も早くと思い、
深く考えもせず、すぐに修理を依頼したんです。
その時は、総額15万円近くの
修理代金を払いました。
しかし、コンプレッサー特有の症状が再発・・!
1ヶ月も経たないうちに
再度、同じ修理をしなくては
いけなくなったんです!(泣)
結局、いろいろ古くなっていたので
修理は諦め、
車の買取をその車屋に依頼すると、
「10万キロも超えてるし、
ほとんど値段はつかないよ。」
と言われてしまいました・・・。
結局、その車屋には売りませんでしたが。
あなたは、愛車にあとどれぐらい乗りますか。
“どうしても長く乗り続けたい”というのであれば、
修理を選択するのがベストでしょう。
ただ、今少しでも
そろそろ“車を乗り換える”かも・・・
ということが頭の片隅にでもあるのであれば、
その修理をしてしまう前に、
まずは現在の“愛車の価値”を知り、
今すぐ、乗り換えもしっかり検討すること!
過去の私のような失敗だけは
絶対にして欲しくないものです。
さて、値段がつかないよと
言われていた私の車でしたが、
その後、ネットで査定してもらったところ、
結局、35万円の高値がついて売ることが出来ました!
ネット査定を使えば
無料で今すぐ査定できて
愛車が今「いくらで売れるのか」
知ることができて便利です。
愛車の価値を知っていれば、
常に正しい選択ができます。
あの時、買い叩かれなくて、
ホントに良かった・・。
査定結果を見れば、
次の車の選択肢も広がりますよ♪
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タグ:RK3, エンジンルーム, コントロールバルブボディ, ステップワゴン, 異音